先生の”困った”に、高校生が本気で向き合った1日 |「高校生のためのアイデアワークショップ」開催レポート

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「高校生のためのアイデアワークショップ」開催レポート

2026年7月19日(日)、福岡・大名のG’s FUKUOKAで、高校生を対象にしたアイデアワークショップを開催しました。

テーマは「先生の”困った”を、君が解決する。」。学校現場でいま実際に起きている課題を、先生ご本人から直接聞き出し、自分たちなりの解決アイデアにまとめて発表する——朝10時から夕方16時まで、まるまる1日をかけたプログラムです。

学校も学年も違う、11名の高校生たちが集まりました

正直なところ、いちばん不安だったのは集客でした。夏休み直前の日曜日、まる1日拘束、テーマは「教育の課題」。それでも、定員15名に対して5つの学校から11名の生徒が参加してくれました。

  • クラーク記念国際高等学校
  • 中村学園高等学校
  • 福岡城西学園
  • 福岡西陵高等学校
  • 福岡大学附属大濠高等学校

初対面同士、学校もバラバラ。最初の自己紹介は少し緊張した空気でしたが、それも午前中のうちにほどけていきました。


なぜ、高校生に「課題解決」なのか

私たちがこのプログラムで伝えたかったのは、「課題解決アイデアを考える意義」と、「正解のないゲームへの姿勢」です。

AIによってあらゆる専門スキルが誰にでも手が届くものになりつつあるいま、差がつくのは「何を作るか」「どうスキルを活用するか」を考えられるかどうかです。課題を見つけ解決するというプロセスを体験することが、この変化の激しい時代の「筋トレ」である。と定義して、取り組みの意義を伝えていきました。

もうひとつが、世の中には「正解のあるゲーム」と「正解のないゲーム」の2種類がある、ということでした。

学校のテストは前者です。正解にたどり着くことがゴールで、間違いは失点になります。 一方、課題解決アイデアを考える営みは後者です。ゴールは価値を生んで届けること。努力の方向は「試して、改善する」。そして失敗は失点ではなく、次の行動の材料になります。

だからこの日、参加者にはこう伝えました。

今日は「正解を出そう」「うまくやろう」としなくていいです。何かうまくいかないことがあっても、それは失敗ではなく「次へ繋がる行動の材料」になります。それを糧に学びを次へとつなげられれば充分です。


午前:「なぜ?」で、課題の根っこまで潜る

午前は、課題を掘り下げるための考え方を、手を動かしながら学びました。使ったのはマインドマップという手法です。

やることは、たった3つの問いを繰り返すだけ。

  • Why(なぜ?) ── その課題は、なぜ起きているのか
  • Why Else(他には?) ── 原因は、他にもないか
  • So What(だからなに?) ── それが起きていると、何が問題なのか

たとえば「マニュアルがバラバラ」という困りごと。なぜ?と掘れば「管理する担当がいない」、さらに掘れば「口頭で聞けば解決する文化がある」。他には?と拡げれば「更新しても評価に繋がらない」。そしてSo What?と視座を上げると、そこには「属人的な運営が前提になっているモデル」という、もっと大きな構造が見えてきます。(生徒向けには「砂漠で彷徨う人の課題」でお話しましたが)

ルールは「これ以上は掘れない」と感じるまで繰り返すこと。ただそれだけなのに、目の前の困りごとがまったく違う輪郭を持ちはじめる瞬間があります。

その後、ペアに分かれてお互いの身近な課題感を構造化するワークショップを行いました。通学の悩みや進路の悩みなど、リアルな課題感を構造化することで、自分でも言語化できなかったもやもやを具体化したり、新たな視点を得られたようでした。


午後:先生に、直接聞く

午後は実践です。課題を持ってきてくださったのは、3名の先生方。

  • 尾崎 先生(福岡市教育委員会)
  • 田中 先生(筑紫台高校)
  • 粕谷 先生(CAN!P 代表)

行政、私立高校、民間の学びの場。立場も見ている景色もまるで違う3名です。生徒たちは、いちばん話を聞いてみたい先生の前に自分の意思で並び、3つのグループに分かれました。

ミッションはひとつ、「相手の課題を構造化せよ」

これが、想像以上に難しい。ひたすら聞き、掘り、拡げる。

「深堀る/拡げる/視座を上げる/定量化する/時系列を知る/プロセスを知る」の6カテゴリに分けた質問カードも配りましたが、後半はカードを見ずに自分の言葉で質問を重ねるチームが増えていきました。

高校生が、大人に、1時間ずっと質問し続ける。あの光景は、運営側から見ていていちばん胸が熱くなった時間でした。


発表:優劣はつけない、けれど本気のフィードバック

最後の1時間は発表です。構造化した課題から「解くべき課題」を選び、理想の状態を定義し、解決アイデアをまとめて先生方にプレゼンしました。

先生方には「いいね!」「もう一声」の札を持っていただき、発表後に掲げてもらう形式に。先生方からのフィードバックは「いいね!」でも「もう一声!」でも全部本気で、核心をつくものばかりでした。自分の困りごとに真正面から向き合ってくれた高校生に対する、大人からの誠実な返礼だったと思います。


参加した高校生の声

はじめて課題を構造化したり、ヒアリングを行いました。難しいことも多かったですが楽しかったです。

自分は他人と話すことが苦手でしたが、チームがサポートしてくれて、新しい出会いがあって嬉しかった

相手から課題を引き出す練習ができて面白かった。

「難しかったけど、楽しかった」。この2つが同時に出てくること自体が、正解のないゲームをちゃんと味わえた証だと思っています。

また、生徒同士に新たな出会いを提供することも目的としていたため、終了後に連絡先を交換し合う姿に、よい出会いを提供できたのでは。と非常に嬉しい気持ちになりました。

最後に、1日をやりきった証として全員に修了証をお渡ししました。総合型選抜や面接で語れる課外活動の実績として、使ってもらえればと配布しました。


お忙しいなか、ありがとうございました

日曜日にもかかわらず、生徒からの遠慮のないヒアリングに1時間つきあってくださった尾崎先生、田中先生、粕谷先生。そして、生徒に声をかけ、この情報を届けてくださった各校の先生方。

このワークショップは、先生方が「現場のリアルな困りごと」を差し出してくださったからこそ成立しました。教材として用意された架空の課題ではなく、本当に困っている人が目の前にいる。だから高校生は本気になれたのだと思います。


これからも、続けていきます

私たちGen CXO Studioは、若い世代からCXO人材を育てることを目指しています。アントレプレナーシップは、起業を選ぶ人だけのものではありません。目の前の違和感を「解くべき課題」に翻訳して、誰かのために動いてみる。その筋力は、どんな進路を選んでも効いてくるはずです。

このワークショップは、今後も定期的に開催していきます。

次回もまた、生徒さんに声をかけていただけたら嬉しいです。「うちの学校の生徒に合いそう」と思ってくださったら、それだけで十分な後押しになります。

もし「このワークショップを、うちの学校でやってほしい」というご要望があれば、ぜひお聞かせください。今回のプログラムは、学校単位・クラス単位での実施にも展開できます。探究学習の時間や進路指導の一環として、どんな形がありうるかを一緒に考えさせてください。

また、「課題を提供する先生」としてのご参加も大歓迎です。あなたの”困った”が、高校生にとっては最高の教材になります。

お問い合わせ 株式会社Gen CXO Studio info@gen-cxo-studio.com / 050-5876-0750

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